将来の「もしも」に備える、安心のお守り
「もし将来、自分が認知症になってしまったらどうしよう……」 「老人ホームの入所手続きや、銀行のやり取りは誰がしてくれるのだろう?」
年齢を重ねるにつれ、このような不安を抱かれる方は少なくありません。 身体がどれだけ元気でも、脳の病気や認知症などによって「判断能力」が低下してしまうと、ご自身で銀行からお金を引き出したり、必要な介護サービスの契約を結んだりすることが法律上できなくなってしまいます。
そんな将来の「もしも」の事態に備え、ご自身が元気でしっかりしているうちに、「将来、自分の代わりに財産管理や契約手続きをしてくれる人(任意後見人)」と、「その人に頼みたい具体的な内容」をあらかじめ自分の意志で決めておく制度が、「任意後見契約」です。
当事務所は平成元年の開設以来、数多くのシニア世代の生活設計や財産管理に向き合ってまいりました。「自分のこれからの人生を、最後まで自分らしく、大切な家族に迷惑をかけずに生きたい」という願いを叶えるための、いわば「生前の未来設計図」がこの任意後見です。
何も準備をしていないと、どうなるの?
もし、任意後見契約を結ばないまま判断能力が低下してしまった場合、ご家族などが家庭裁判所に申し立てをして、本人の代わりに財産を管理する人を選んでもらうことになります。これを「法定後見制度」といいます。
しかし、この法定後見制度には、以下のようなご相談者様にとって「想定外のデメリット」が起こりやすいという大きな注意点があります。
- 自分が希望する人が選ばれるとは限らない 裁判所の判断により、全く面識のない弁護士や司法書士などの専門家が機械的に選ばれるケースが多々あります(親族が選ばれる割合は全体の2割程度です)。
- 家族が後見人になれたとしても、負担が非常に大きい 裁判所への定期的な収支報告義務や、非常に厳格な財産管理が求められるため、良かれと思って引き受けたご家族の精神的・時間的負担が重くなってしまいます。
- 柔軟なお金の使い方(孫への援助や、資産運用など)ができなくなる 法定後見はあくまで「本人の財産を減らさないように守る」ことが最優先の目的です。そのため、たとえ家族が「本人のため、家族のため」と思っても、実家のリフォームや孫の入学祝い、資産の運用などは原則として認められなくなります。
ご自身の希望通りに、納得のいく最晩年を過ごすためには、裁判所にすべてを委ねるのではなく、元気なうちに「自分で決めておく(任意後見)」ことが何よりも大切なのです。
家族を守る。弁護士が「任意後見契約」をサポートする3つの理由
任意後見人は、ご自身が最も信頼できるご家族やご親族を指名することが可能です。「自分の財産管理や介護の手続きは、やはり身内に任せたい」というご希望はごく自然なことです。 しかし、いざという時にご家族が困ったり、親族間で揉めたりしないためには、事前の「法的な土台作り」が欠かせません。当事務所では、ご家族への想いを確実な形にするため、以下の3つの視点からサポートを行います。
1. ご家族がスムーズに動ける「オーダーメイドの契約設計」
ご家族を後見人に指名しても、契約書に「実家を売却する権限」や「特定の施設と契約する権限」などが法的に正しく記載されていなければ、いざという時にご家族が手続きを進められず、立ち往生してしまうことがあります。 弁護士がご相談者様の将来の生活プランを丁寧にお聞きし、ご家族が「後見人」として活動する際に不便がないよう、必要な権限を漏れなく網羅した万全の契約書を設計します。
2. 親族間のトラブル(争族)を未然に防ぐ仕組みづくり
例えば同居されているお子様を後見人にした場合、財産管理の負担がその方一人に集中し、他のご親族から「親の預金を勝手に使っているのではないか?」とあらぬ疑いをかけられ、深刻なトラブルに発展することがあります。 契約書を作成する段階で、弁護士が法的なアドバイスを行いながらご家族全体で情報を共有する仕組みを作ったり、適切な制度設計を行うことで、ご親族間の不信感や無用な争いを防ぎ、家族の絆をお守りします。
3. 「遺言」や「他の制度」と組み合わせたトータルサポート
任意後見契約は、あくまで「ご本人が生きている間」のサポートに過ぎず、お亡くなりになった瞬間に効力を失います。そのため、死後の財産の分け方については、別途「遺言書」を作成しておく必要があります。 弁護士にご依頼いただければ、生前の対策(任意後見)と、死後の対策(遺言書の作成や、ご葬儀の手配等の死後事務委任)を組み合わせ、矛盾のない一気通貫のトータルサポートが可能です。残されるご家族への負担を、最小限に抑えることができます。
任意後見契約スタートまでの流れ
当事務所では、ただ契約書を作るだけでなく、あなたの理想の老後を形にするために、以下のようなステップで丁寧に進めてまいります。
- 初回ご相談(お話をお聞きします) まずは、どのような老後を送りたいか、医療や介護が必要になったらどうしたいか、あなたの理想やご不安をじっくりと伺います。
- プランの設計と契約(公正証書の作成) ご希望をもとに「何をどこまで任せるか」という具体的なサポート内容を設計します。内容は公証役場で「任意後見契約公正証書」として確実な形にします。
- 見守り期間(ご本人が元気な間) 契約を結んだからといって、すぐに弁護士が財産を管理するわけではありません。ご本人がお元気なうちは、これまで通りの生活を楽しんでいただきます。当事務所からは定期的にご連絡(お電話や面談)を取り合い、健康状態や生活に変わりがないか、温かく見守ります。
- 判断能力が低下してきたら(後見のスタート) 認知症の進行などにより判断能力の低下が見られた場合、弁護士が家庭裁判所に申し立てを行います。裁判所によって「任意後見監督人(弁護士の仕事をチェックする人)」が選ばれることで、正式に後見がスタートします。
- サポートの開始(生活と財産を守る) 裁判所の監督のもと、事前に契約で決めておいた内容(年金の管理、施設の支払い、医療や介護の手続きなど)に従って、弁護士があなたに代わって確実にサポートを行い、あなたの大切な財産と生活を守ります。
モデル例や条項例を見てみる
任意後見契約で具体的に「どのようなことを頼めるのか」、よくあるご相談のモデルケースをご紹介しています。ご自身の状況と照らし合わせてご参考にしてください。
・一般的な任意後見契約のモデル例
・趣味を続けたい、障害ある子どもへの支援を続けたい場合などの条項例
「自分の老後は、自分で決める」。それは、あなた自身の尊厳を守ることであると同時に、残されるご家族への最大の優しさでもあります。 少しでも将来の生活にご不安を感じられましたら、まずは一度、当事務所へお気軽にお話をお聞かせください。あなたのこれからの安心を、私たち弁護士がお手伝いさせていただきます。